Le Vin Nature フランス自然派ワイン通信
Francois DUMAS (フランソワ デュマ〉 ( 2007 年4月9日)
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自然派ワインの話題でよく取り上げられるのが二酸化硫黄の
有無と還元香〈ビオ臭?〉です。今回、この2点の話題をお送りします。
原文がなかなか難しく、私の貧弱なフランス語力ではうまく訳せていない
部分があるのですが、お許しください。(T.S.)
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ボルドーのワインコンサルタントのステファン・ドゥルノンクール氏へ
のインタビューの抜粋記事。2005年秋の話ですので、進歩著しい業界に
おいて、もしかしたら見解に変化があるかもしれないのですが、ご了承ください。
なお、これは何回かに分けて送る予定です。
二酸化硫黄
2005年秋、ワイン雑誌Le Rouge & Le Blancでのポール・ハイアット氏による
ステファン・ドゥルノンクール氏(Stéphane
Derenoncourt)への
インタビューの一部 (第1回)
(二酸化硫黄の有無:何が問いなのか?)
<二酸化硫黄はよく検討されなければならない。自分のワインの
バランスを知らなければならないし、そこから、どれくらいの量の
自由な二酸化硫黄(SO2 libre)がワインを守るために十分な効力を
持つのか見積もらなければならない。もちろん、この質問は直接、
土壌に関係する。どのような土壌の種類が、酸度、pHの値、気候、
そしてぶどうの種類を考慮して、ぶどうを熟成まで運ぶのか?例えば粘土は、
むしろ冷たい土であり、ワインに高い酸を与えるけど、
これは二酸化硫黄の働きを拡大する。>
<ボルドーは、二酸化硫黄無しのワインを作るのには適していない。
気候とブドウの種類を考慮しないと、よい状況を享受することはない。
ワイン醸造所は、たいてい開放的であり、これは醸造のために
温度を低く保つことをとても難しくする。そして蔵も土中ではない。
よって季節にとても敏感である。そう言うと、私の経験と友達の
ブドウ栽培・ワイン醸造者の経験は、二酸化硫黄無しのワインの
研究は袋小路であるというように考えさせる。>
<収穫時の二酸化硫黄投下は、浄化が目的だ。殺菌の観点から、
媒体を掃除することを可能にし、従ってすべての酵母がより穏やかに
増加することを助ける。そしてより少ない酵母の競合となり、
酵母は邪魔されずに働き、異常の危険も減る。>
<発酵の後、現実的にはこの二酸化硫黄の形跡は全く残らない。
発酵状態は、二酸化炭素の働きのおかげなどで、とても密閉された状態である。
酵母自身も二酸化硫黄物質を形成する。また私の信念は、ブルゴーニュとは反対に、
収穫時にはほとんど二酸化硫黄を投下しないことだが、
しかし特にしないわけではない。なぜなら、私達は、何よりもまして、
ビオワインによく見つけるような馬小屋の匂いをワインに与える
ブルタノミセスなどの酵母を恐れなければならない。これらの酵母は
小さい兵士達であり、かれらは展開するために、収穫時の最後まで
自分達の時間を待っている!従って、気をつけなければならない、
もしぶどうが十分に衛生的で無かったのなら・・・続いて、私は、
マロラクティック発酵後と熟成中にだけ再び介入する。ワインが
澱の上で熟成されるとき、非常な還元状態となる:澱は、酸素を大量に
消化し、酸化からワインを保護するため、ほとんど二酸化硫黄を
投下する必要は無い。最後に、もし私達が上手に働いたなら、
瓶詰め時の最後の介入後に、合計二酸化硫黄50〜60ミリグラムを達成
するはずだ。私達は、長期熟成型のワインを作っていることを忘れないように!>
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還元香について (Source: Chateau Loisel)
「還元したワイン」は何を意味するのか?
「還元」という表現は、あまり魅力的では無い匂いが、ワインを
開けたときに知覚されたときに使われる。
還元の香りは、腐敗した肉に感じるような動物の香りや、湿気の高い
地下室、スポンジ、床雑巾などである。端的に言って、良い匂いではなく、
ワインを選ぶ自分の能力を疑うことになるかもしれない。(もしお客が、
空のグラスを前に待っているなら、当然、かなり心配になるだろう)
この厄介な香りは、一般的にはボトルの中に“ワインを閉じ込めている
こと”が原因である:このように、還元は時々、酸化の反対として定義
される。しかしながら全く明瞭な定義ではなく、いつも私は、
「酸化の反対」であるものは何かと自問していた。この現象は、
ブドウ栽培・ワイン醸造者により見当外れに研究されていて、
望まれていない影響であり制御が難しいものとして扱われている。
ある種のワインは、他のワインよりも還元香が発達することがあり、
例えばブルゴーニュの赤などがその例である。
還元は悪い醸造によるものとは解釈されず、またそれ自体は深刻な
問題ではない。この悪い匂いは空気に触れることで消滅する。したがって、
たいていの場合、匂いを消すためには単純に栓を抜いたのち、15分から
20分瓶を放置しておけば十分である。カラフに入れれば、還元香はもっと
早く消え失せる。時々、この匂いはもっと執拗だが、還元が原因であるのなら、
必ず無くなる。
もしこの嫌な香りが、空気に触れさせた後も無くならないのであれば、
「還元」について話すことはない。私達は手の施しようの無い欠点の中に
陥っている:例えばコルクの風味(ブショネ)や、悪い醸造方法による
変質などである。コルクの香りと味(ブショネ)は、還元とは全く
共通点が無い:これは、ワインとあるコルクの成分が下手に取り扱われた
ことによる、化学反応に関するものである。しかしながら、還元の香りがある人
たちによって「コルクの匂い(ブショネ)」と規定されることは珍しくない。
ブショネという言葉は、好ましくない匂い全てを入れるガラクタ箱の
役割を果たしている。
注)コルクを開けたばかりの瓶の口に鼻を近づけたときに知覚される
ことのある湿ったスポンジの匂いは、必ずしもワインの還元が原因ではない。
それは、瓶の口の縁(注:すいません、うまく訳せません:
l'extérieur du goulot là où
résidait la collerette)から生じることもある。
湿気は時々グラスと瓶口の間から忍び込む。したがって、
地下室に一定期間寝かしてあったボトルのキャップシールを完全に
はがさないことが好ましいのはそのためである。(当然、ワインを
カラフに移すさないか、テーブルの上にボトルを持ってこない時はべつだが)
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代表取締役
フランソワ・デュマ
Le Vin Nature ル・ヴァン・ナチュール
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tel/fax 03-6804-9616
e-mail: info@le-vin-nature.net
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2-13-16 Minami Azabu ,Minato-ku
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