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  Le Vin Nature フランス自然派ワインニュース  (9/11 2007)
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[ブドウ栽培・ワイン醸造]
フランス:2007年のワイン生産量は大幅に減少

「今年のフランスのワイン生産量は4,910万ヘクトリットルになるにちがいない。
言い換えると、2006年に比べて7.6%の減少である」。
果実・ワイン・園芸の職業間団体であるViniflhorは9月5日に発表した。


2007年の生産量は過去5年間の平均より380万ヘクトリットル少ないレベルになる。
これは、雹害にやられた1993年と猛暑の2003年を例外としたら、過去20年間でもっとも少量となる。


ブドウの成長期を通じての降雨と雷雨の影響で、前半の力強い成長は妨げられた。
また、ベト病などのカビや病気の増殖が全てのブドウ畑で指摘された。これらの要素に加えて、
約16,000ヘクタールの伐採により、生産量が激減した。


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[環境]
Ecovigne Champagne社:軽量のシャンパンボトル開発、販売開始。
〜地球温暖化対策の一手〜

シャンパーニュ地方で、ワイン・シャンパン生産に関わる資材を販売している
Ecovigne Champagne社は、まもなく“L’Ecochampenoise”という新規格の
シャンパン用ボトルを販売する。この新ボトルは「地球温暖化ガスの削減を目標に」、
従来のボトルよりも軽量化を図った。

この軽量ボトルにより、搬送時とボトル生産時において、温暖化ガスの削減が図れるという。
これは“Bilan Carbone”で定められた目標に沿うものである。
(7/23付けの記事“シャンパーニュ地方が“気候計画”を開始”をご参照下さい)

従来の伝統的なボトルは900グラムだが、この新ボトルは65グラム軽い835グラム。
現在テストを重ねており、2009年からは全てのボトルを新ボトルに切り替える予定である。


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[その他・ニュース]
AOCシステムの改革
フランスワインの1/3はAOCシステムから外れなければならない!

UFC-Que Choisir(注)がAOCワインについて行ったアンケート結果によれば、
業界75人の代表が“AOCシステムは、もはやフランスワインの質やテロワールを保証していない”
と断言している。

40%の人は「AOCは最低限の質を保証していない」と応え
65%の人が「AOCはテロワールの特徴を表現していない」としている。
この原因として、過剰生産、収穫量の激増、時代遅れの政令、寛容主義などをあげる。

しかし、このAOCシステムの信頼性の消失は、AOCシステムの中心に異なった
コストパフォーマンスのワインが共存していることからも理解できる。したがって、
今後、この部分の変革が求められている:一つは、テロワールと強いつながりが
あることが知られていてAOCの本来の目的に沿っているワイン。もう一つは、
個性は少ないが新しいマーケットに対応し、AOCシステム外での発展を担うワインである。

この2つのカテゴリーを2つのAOCシステムで識別することで、消費者の選択に
対応することとAOCシステムの伝統を立て直すことの2つの目的を果たしたいという。
2010年を視野に入れて、INAOの先導する改革はAOCの信頼性の再確立を目指している。

(注)この調査は2から8ユーロのAOCワインを対象に行われた。


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[ブドウ栽培・ワイン醸造]
ブドウのゲノムの配列決定

2005年以来、INRA(フランス農業研究機関)とGenoscope(ゲノム調査研究所)は、
フランス・イタリアの共同プロジェクト“国際ブドウゲノムプログラム”に参画している。
ブドウの農作物としての特徴をよりよく知ることと、ブドウ栽培をより洗練されたものに
することを目的に、このプロジェクトは、ブドウを農作物果実としては最初にDNA配列化
することにした。

ヴィティス・ヴィニフェラ種は、食用とワイン用に栽培されているが、ベト病などの
病気への耐性が弱い。このため、ヨーロッパでは、毎年全農薬の46%がブドウに使われている。

よって、今回のプロジェクトの目的の一つはこの農薬量を減らすため、
より耐性の強いブドウを目指すことである。今回のゲノム配列化により
病原性をつきとめることで、ブドウ栽培がより精密に、堅固で
質の高いものになるとGenoscope社は期待している。

(情報:Le Monde)


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最後に・・・
先週、偉大なテノール歌手ルチアーノ・パバロッティ氏が亡くなりました。
オマージュとして彼の残した言葉です。

“Les meilleures raisons d’aimer la vie: d’abord la vie, ensuite toutes les autres”
“人生を愛する最大の理由は?第一の理由は、人生そのものだ。そしてほかの理由全てだ”

Luciano Pavarotti