[ブドウ栽培・ワイン醸造]
コルク栓は呼吸をするのか？ボトルワインへの二酸化硫黄添加の起源
アラン・リマー　（醸造コンサルタント／ニュージーランド）


酸化還元反応は、瓶詰め前並びに瓶詰め後のワイン内における化学反応の
進展についてほとんどを説明する。実際には、ワインの中の化学反応の
進展は、様々な化学物質の酸化作用と還元作用に関連している。ワインの
化学の本質は、この過程によって説明できる。

最も単純な定義としては、酸化は電子の減少を意味し、還元は電子の増加を
意味する。酸素は酸化の実現化に必要なものではないが、たいていは、
酸素が“エンジンを動かす”役割を果たす。個々の酸化反応には還元が伴う。
この２つの現象は、対になって進む。

実際に生じることは、電子が最も都合の良いような秩序に従って再編される
ことだ。これは酸化か還元の可能性次第で決定される。この要因は電子交換の
傾向によって測られる。つまり、電子の譲渡“酸化”によってか、
受容“還元”によってだ。

ワインの中の極少量の酸素量と硫黄の香りに関するもう一つ驚きの例証が、
オーストラリアワインリサーチ研究所が行った実験によって明らかにされた。
彼らは３つの密閉状態を比較した
１．ガラスのフラスコ、２．王冠、３．コルク栓。

完全に無酸素状態のガラスのフラスコに入れられたワインは硫化物の上昇を
差し示した。コルク栓によって瓶詰めされたワインの中では、硫化物のレベルは
ほとんど無である、しかし、酸化のレベルがより重要となる。最後に、
王冠によって瓶詰めされたワインは、中くらいの硫化物のレベルを示した。
しかし、実際には、王冠で封じられたワインは、ガラスで密封された
ワインと同様の硫化物の香りを見せるべきだ。無酸素状態に近づけば
近づくほど、硫化物の香りを期待すべきだ。

これは、酸化還元化学が予測することであり、
オーストラリアワインリサーチ研究所の素晴らしい感覚器の研究によって
証明された。王冠の製造に使われた最初の皮膜は、同様にこの問題に直面した。
完全に酸素を受け付けないアルミニウムの王冠を使ったとき、ワインは
還元の特色を示し、違うタイプの皮膜を使った王冠では、還元の特色は
示さなかった。

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[環境]
地球温暖化とワインに関する第２回目の国際会議がバルセロナで
アル・ゴア氏も出席

第2回目となる地球温暖化とワインに関する国際会議では、
アル・ゴア氏が開幕宣言を行うことになった。2006年にディジョンで
行われた第一回国際会議を経て、2008年2月15、16日にはスペインの
ワインアカデミーがバルセロナで第2回目の国際会議を組織する。
この会議では、地球温暖化問題とこれがワイン業界にもたらす影響を
分析する。世界的に有名な科学者や専門家、そしてアメリカの
前副大統領・ノーベル平和賞受賞者のアル・ゴア氏が今回の国際会議には
出席する。近年、アル・ゴア氏は、特に地球温暖化問題とその影響に
対する戦いでよく知られている。彼は、特別に今回の会議に招待され、
開幕の挨拶を行う予定になっている。


地球温暖化は、全ての経済活動に影響を与えるが、特にワイン業界も
その影響から避けることは出来ない。そのため、現在は、数多くの
ブドウ栽培家・ワイン醸造家、ワインコンサルタントや関係者が
この問題に対して、大きな関心を抱いている。今回の第2回国際会議では、
地球温暖化がスペインに与える影響や、短期並びに長期的な視点で
ワイン業界に与える影響などが議論される。国際的に著名な
ミシェル・ローラン氏（醸造家）、
アーネスト・ルーセン氏（ワイン醸造家でありイギリスの
ワイン雑誌デカンタの“今年の人”に選ばれている）、
ミゲール・トレス(世界的に最も有名な醸造家)などが出席する予定だ。


最近の調査では、イギリスのような伝統的に冷涼で湿気の多い地域で
質の高いワインの生産が始まっている一方で、より高温の地域では、
過去と同様のブドウ品種でワインを作ることがどんどん難しく
なっていると発表されている。加えて、地球温暖化により収穫日が
早まることが予想され、これは、結果として各醸造所に収穫方法の
再構築をせまることになるとみられている。これらの問題は、
今度の国際会議で議論され、質の高いワインを生産することを
願っている市場は大きな関心を寄せるだろう。


情報元（英語サイト）
http://www.cambioclimaticoyvino.com/eng/index.php
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