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  Le Vin Nature フランス自然派ワインニュース  (5/15 2008)
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[環境]
ワインの内の殺虫剤 5.−ワイン内の残留農薬・ワインは被害を免れてはいない!

Pan Europeの研究によると、ヨーロッパとその他の地域で生産されている大半のワインに
残留農薬が含まれているという。・・・有機ワインを除いて。


3月20日以来、組合や団体、庭師、農家などは無殺虫剤週間を組織し、化学製品に変わる
ものを提案することを目的に様々な活動を起こしている。そんな中、EU議会の緑の党に
支持されていてMDRGFの一部であるPan Europeが行った研究は、ワインが残留農薬を
含んでいることを明らかにした。


伝統的なワインは平均して4種類の異なる残留農薬を含んでいて、最も多いもので
10種類にいたった。認可値を超えていないとはいえ、実際にはワインには認可値は
存在しておらず、これはブドウにおける認可値を参照にしている。この認可値はとても
高いものだ。さらに、MDRGFによれば、ワイン内に見つけられた残留農薬レベルは
水道水のそれに比べて非常に高く、あるワインでは水道水に許容されている
残留農薬濃度の5800倍に上ったという。


農業研究所が発表してきたように、フランス全耕作地の3パーセント未満を占めている
ブドウ畑が、フランスの全化学薬品の20%を消費していることを考慮すれば、
Pan Europeの結果はとても驚くべきことではないと言えるだろう。


このPan Europeの調査は、フランス農水省のMichel Barnier大臣が1月14日、
ブドウ栽培の植物衛生関連製品の削減に向けたプログラムに900,000ユーロの予算を
用意したことを発表した時に行われた。このプログラムは、
Grenelle de l’environnement(いわゆる政府や有識者間で行われた環境問題に関する会議。
2007年5月から10月にかけて行われた)で決められた目的にも含まれており、
今後10年間の間に可能であれば殺虫剤使用量を50%削減すると言うものに沿っている。


この提案は、3つの研究方針に関係している:1.植物衛生処理の実施のための新しい方法、
害虫・疫病に抵抗する植物性素材(ブドウのゲノムの分析と病気に対する抵抗力の可能性の研究)、
そして様々なテロワールにおけるブドウの保護と気候変動の結果予想。Cemagref
(Institut de recherche pour l'ingenierie de l'agriculture et de l'environnement:
公共研究機関、特に水質や土壌問題などに注力している)と共に行われるこの計画は、
研究機関やブドウ栽培を支える団体などに協力を呼びかけている。


Grenelle de l’environnement後に採択された案の延長線上として、Michel Barnier大臣は
11月15日に殺虫剤の使用を削減する計画を実施に移すための委員会を設置した。この計画は
2つの段階からなる:1.存在する代替方法を考慮して最善のタイミングでの殺虫剤流通の縮小
(これは最も憂慮されている53物質を含む製品で、そのうち30物質は2008年末までに禁止される。)
2.10年という期間で50%の殺虫剤使用を削減すると言う計画の改善。また、15人の
専門家からなるグループが、検査方法や代替製品の流通、経済効果、法律関連整備など
様々なテーマに関する行動計画を形作る責任を与えられている。

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[その他]<2>
アフリカは食糧問題に直面している。

食料品の価格急騰とこれから発生する結果への危機に関して、2007年の国際連合食料農業機関に
おける幾度の警告にもかかわらず、国際的な財政機関は、この問題へ対応するために本当に最後の
局面まで待ち続けてしまった。


IMFと世界銀行の発表によれば、アフリカ開発銀行は5月2日にアフリカの最も貧困にあえいでいる
国に対して緊急処置を実施する発表をした。アフリカ開発銀行のグループの代表によれば、これらの
国々にすむ約1億5千万人の人々が飢餓に直面していると言う。


アフリカ開発銀行は、農業援助のポートフォリオに追加で10億ドルを動かすことを決定した
(現在は3億8千万ドル)。そして「今後12ヶ月で必要な飼料や肥料を買うために、素早く現金で
約2億5千万ドルを引き出すため」ポートフォリオを再編成する決定をした。


アフリカ開発銀行は、2006年の≪ Revolution verte africaine ≫サミットの時に、肥料供給のために
アフリカ・メカニズムの信託基金を提供することを委任された。この計画は現在1ヘクタール辺り
平均8キログラムの肥料利用を2015年に少なくとも平均50キログラムまで増やすことを予定している。


この10億ドルは、国際財政機関によって解除された数10億ドルに加えられる。もし、アメリカの
サブプライム問題で失われた9,450億ドルに比較するなら、この数字は少なくて
やや恥ずかしいものだ。(IMFの観測参照)


(注:ヨーロッパと中国、日本の年間平均の1ヘクタール辺りの肥料利用料は200キログラムを越えている)
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