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  Le Vin Nature フランス自然派ワインニュース  (3/3 2009)
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[健康]
フランスで先月発表された癌の発生に関した冊子の発行に関連して議論が沸きおこっている。
冊子の中ではアルコールも発癌の危険を高めるとして告発されているからだ。
以下は冊子発行に関するニュースと、それに対するワイン生産者の反論。

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健康−癌:毎日のワイン飲酒はひかえましょう !?
ワインを毎日飲んだり、大量のステーキやロース肉を食べたり、自由気ままにハムや
ソーセージを食べることはやめるべき。国立癌研究所(Inca)は、癌への栄養の
影響に関する認識を発表した。


今回発行された専門化向けの小冊子は、最も新しい国際的な研究を網羅したもので、
特にフランス人にとって特徴的な危険も考慮している。


“毎日ワインを飲むことは、推奨できない”

まず、最初の告発対象となったのがアルコール。フランスは、一人当たりの
純アルコール消費量が12.9リットル(少量のグラスワインや、25clのビール、
パスティス1杯は10グラムの純アルコールと同等である)で、世界6番目である。
責任者であるDidier Houssin氏は、アルコールと癌の関係について
「安全である量」は存在しないとしている。また、目に見えない影響から
「少しの量を繰り返し飲むことは最も有害だ」とINCAの代表である
Dominique Maraninchi氏は断言している。


研究機関INRAのPaule Martel女史は同じく、「毎日ワインを飲酒することは勧められない」と
言う。研究によれば「アルコール飲料の摂取は様々な癌の危険性に関連している。
口内や咽頭、喉頭、食道、乳房や肝臓など」。毎日1杯飲むことで、危険性は、
結腸(9%)から168%(口内、咽頭、喉頭)まで上昇するという。


理由としては、特にエタノールのアセトアルデヒドへの変換であり、エタノールは
加えてタバコなどの癌化物質の粘液の透過性を上昇するという。フランスでは、
アルコールの消費が、タバコに続いて、2番目の癌による死因の原因であるとしている。

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健康−癌とワインの関係:ワイン生産者は反発
ワイン生産者の団体は、厚生省の発表した癌の研究の中で、ワインが要因の
一つであるとされたことから、ワイン生産者は被害者であると発表した。


「ワインに対する執拗な攻撃をやめるべきだ」ワイン業界団体(AGPV)は、
厚生省が発表した冊子について反発した。生産者は「公権力の沈黙と怠慢に
よって深く傷付けられた」と言っている。「INCAの報告についてたくさんの
不満が届いた。冊子では、アルコールは最初の一杯から癌の可能性を高める
といっている」と不満を述べた。


団体によれば、「再調査の必要性自体が、今から既に、この調査の限界を
表している。特に、たくさんの国際的研究(なによりも癌に対する研究)が、
危険は過度の摂取によるものが現実的であると結論付けているのにもかかわらずだ」と
言う。この論争は、Hopital, Patient, Sante(病院、患者、健康)法の計画に
関係する“難しい議論”と重なり合っていく。「ワイン生産者は激しい苛立ち
を感じている」とAGPVは強調している。


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[ブドウ栽培・ワイン醸造]
スクリューキャップ生産者がコルク生産者の主張に反論


スクリューキャップ生産のトップ企業がコルク業界が「誤った主張をしている」と非難している。

The Guala Closures Groupは以下のように伝えている:私たちは、
この栓に関する議論については、威厳を持って沈黙を貫く努力をしてきた。
しかし、最近のコルク生産者による誤った主張の数々は、もはや沈黙を
保っている余裕は無い事を意味している。


彼らは、アルミニウムがリサイクル可能な原料であるばかりでなく、
その生産はコルク支持者が主張するよりもCO2の排出が少ないという。


また、スクリューキャップは健康に危険があるという意見についても反対している。
「コルク業界は、スクリューキャップに使われているプラスティックシールに
ダイオキシンが含まれているといっている。しかしこれは間違いであり、
誤解を導くものだ。使われているライナーは全て、食品の包装に適していると
認証を受けているものだし、“アルミニウム”汚染があるという主張も
全くナンセンスだ。アルミニウムは、これまで数多くの食品や飲料用に、
全く汚染のリスクなく、使われている」と伝えている。